家族の数だけ物語がある。 ~ 想いを繋ぐマイホーム・ストーリー ~ - suzukuri
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家族の数だけ物語がある。 ~ 想いを繋ぐマイホーム・ストーリー ~

今回のコラムは、日々家づくりにかかわる住宅プランナーが、実際に出会った素敵なご家族とそのマイホームの物語をご紹介します。

家族の数だけ物語がある。 ~ 想いを繋ぐマイホーム・ストーリー ~

その出会いは13年ほど前、Aさんというご夫婦と5歳の男の子の3人家族のお話です。

初めてお会いした日、既に具体的な予算を設定されていて、今すぐにでも家づくりを進めたいとのこと。
早速間取りのヒアリングをさせていただく中で、一つだけどうしても気になる事がありました。

それは「なぜマイホームを今建てたいのか?」という疑問。

家づくりの動機を間違えて進めてしまうと本来の目的が達成されずに後悔してしまうケースが多いため、どうしても心配になってしまったのです。
「何がきっかけで家づくりを検討されたのですか?」と質問を投げかけてみましたが、その回答は「そろそろそういう歳だから…」という曖昧なもの。

住宅のプロとしては”建てるタイミング”は大切なポイントであるため、引き続き気に掛かっていました。

今、マイホームが欲しい理由

どちらかと言うとマイホームの希望を熱心にお話しされるのは奥様だけで、ご主人はとなりで静かに見守るだけ。

奥様が席を外した際に、もう一度ご主人に「何度もお聞きして申し訳ないのですが、家づくりの理由をお聞かせいただけますか?」とお話してみました。
すると、「この場だけの話にしてほしいのですが、実は妻はがんで余命が6か月なのです。マイホームは2人の夢なので、妻が動ける内に何とかこの夢を実現させてあげたいのです」と…

新居が完成 家族の笑顔

かなりタイトなスケジュールになることは想定内でしたが、周囲を説得し何とか着工にこぎつけました。

奥様のマイホームへの想いが強い分ご要望も多岐にわたり、どうやって解決したら良いのか悩む場面もありましたが、毎日1~2時間の電話や訪問での打ち合わせを繰り返し、何とか6か月以内の完成が見込めるスピードをキープして奥様の想いを形にできるよう工事は進んでいきました。

そして、Aさんご家族との出会いから5か月後。新居は完成し無事にご入居。

本来であればこの時期、抗がん剤による治療を予定していた奥様でしたが、マイホーム作りという夢の実現に向かう想いの強さのおかげもあってか、
抗がん剤を使わずともなんとかご自宅で過ごせるご容体で、ご家族の笑顔が溢れる中で新居のお引き渡しとなりました。

念願のマイホームでの奥様の嬉しそうな笑顔と、それを見て微笑むご主人をはじめとしたご家族の優しい表情は今でも忘れられません。

それからは折を見て連絡を取ったり、ご挨拶をしながらのお付き合いを続けさせて頂きました。

悲しい知らせ

その後、突然の知らせがあったのは入居から約2年が経過した年末のある日。
ご主人からの1本の電話でした。

「明日、妻が天国に行くことになりそうです。葬儀にあたり家づくりの中で出会った地鎮祭をしてくれた神主さんをご紹介いただきたい」とのこと。

翌日、奥様は天国へ旅立たれました。

そして数日後、生前の奥様の強い希望により葬儀は神道の儀式にのっとりご自宅で。
奥様は、愛する家族と家族で築いたマイホームから天国に向かわれました。


「妻は1か月しか住めない予定だったこの家で2年も過ごせた。全てはこの家のお陰です。当然いろんな心残りはあっただろうけど、限られた時間の中で妻は幸せな人生を過ごせたと思います。」とのご主人の言葉を頂きました。

プランナーとしてはもっと寿命を伸ばせる建材は無かったと思い悩み、悔やむ時期もありました。
それでも、Aさんご家族との出会い・言葉を思い返し、家づくりが暮らす人の心と体、人生に大きく作用し時には寿命をも伸ばす力があることを知り、その奥深さに改めて気づくことになりました。

今日もAさんご家族は、奥様の想いの詰まった空間で呼吸をし、語らい、天国の奥様に元気な声を届け続けています。

それぞれの家づくりには、そこに住む人々のいろいろな物語があります。

次回のHouse Storyもお楽しみに

おわりに

suzukuriではお客様ひとり一人に合わせたより良い家づくりのご提案を行っています。

是非お気軽にご相談ください。
皆様のFUN HOUSEが1日でも早く実現しますように。

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